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CSR活動

生物多様性に関する取り組み

2010年10月に生物多様性条約第10回締約国会議(COP10(Conference of the Parties))が愛知県名古屋市で開催されます。近年、生物多様性は企業活動の中でも非常に注目されています。本リポートでは、当社グループの豊羽鉱山株式会社と日鉱探開株式会社における生物多様性に関する取り組みをご紹介します。

豊羽鉱山における取り組み

豊羽鉱山(北海道札幌市)は、1914年に久原鉱業(当時)が買収して以来、亜鉛・鉛・銀・インジウムなどを産出してきました。しかしながら、2006年3月に鉱量枯渇のため操業を休止し、その役割を終えました。

新「廃水処理設備」等による周辺環境の維持・改善

休廃止鉱山においては、特に使用済の坑内や廃さい堆積場などから発生する金属分を含んだ酸性の廃水を恒久的に無害化し、周辺の河川の水質を汚濁しない対策が求められています。

豊羽鉱山では、2008年10月に廃水の一層の浄化と処理の効率化・長期安定的のために、新たな「廃水処理設備」を建設しました。同設備は、北海道産業保安監督部、札幌市とも綿密に協議を重ね、最新技術を導入して設計・施工したもので、民間の廃水処理設備としては画期的な設備です。同設備の主な特長は次の通りです。

  1. 設備全体を建屋内に収めており、厳寒・豪雪等の厳しい気象条件下でも安定的な運転が可能です。
  2. 処理設備を2系列設置し、通常時には1系列運転・1系列予備とし、最大水量時には2系列を運転する体制をとっています。
  3. 堆積場から廃水処理設備までのパイプラインをコンクリート製の暗渠の中に原水の配管を設置する二重構造とし、漏水対策を万全なものにしています。
  4. 自家発電設備や非常用の大貯水槽を設置し、停電や万一の設備トラブル時にも処理の不十分な水が処理場外に流出しない体制を構築しています。

約1年間の試運転も無事故で極めて良好な水質を維持し、札幌市との公害防止協定に基づく水質確認もクリアしています。さらに、廃さい堆積場に覆土して、植物が生育できる環境を整え、生物多様性の維持・改善に努めています。

森林整備事業による環境への貢献

豊羽鉱山は、1993年度から北海道森林管理局と森林契約を締結し、北海道札幌市南区に所在する約6.8haの国有林の整備事業を進めています。北海道森林管理局から示された森林整備の効果(契約から10年間)は次の通りです。

1. 水源かん養への貢献度

森林には、森林内に一時的に水を貯め、森林外にゆっくりと流すことにより、河川の流量を平準化する働きがあります。この結果、洪水や渇水の緩和、水質の浄化に役立っています。

貯水量: 26,364m3
(25mプール(幅10m・深さ1m)105個分)
水質浄化量: 26,364m3
(家庭用浄水器カートリッジ(半年寿命)14,446個分)

森林がない状態と比べ、森林があることにより増加した水の浸透量により計算されます。森林がない状態と比べ、森林があることにより増加した水の浸透量により計算されます。

2. 土砂流失防止への貢献度

森林は、落ち葉や森林内の植生によって土壌が覆われることにより、雨水による土壌の侵食や流出を防止しています。

土砂流出防止量: 874m3
(土砂を円錐形に積み上げた場合 高さ7.4m 直径21.21m)

森林がない状態と比べ、森林があることにより減少した流出土砂量により計算されます。森林がない状態と比べ、森林があることにより減少した流出土砂量により計算されます。

3. 二酸化炭素の吸収・炭素固定への貢献度

森林の樹木は、光合成を行うことにより大気中の二酸化炭素を吸収することにより地球温暖化の防止に寄与しています。

二酸化炭素吸収・
炭素固定量:
100トン(燃費10km/lの自動車が43万km(地球を10.8周)する際に発生するCO2量)

樹木の幹の体積の成長からの推計量です。樹木の幹の体積の成長からの推計量です。

日鉱探開株式会社での取り組み

当社グループの日鉱探開では、衛星リモートセンシングが産声をあげた頃から航空写真・衛星画像の判読・解析技術の開発を行ってきました。現在、資源探査から、地球環境の解明にその技術を展開しています。

リモートセンシングによる資源探査

左:テラ(EOS-AM1)の衛星画像 右:衛星データから作成した鉱物分布図左:テラ(EOS-AM1)の衛星画像
右:衛星データから作成した鉱物分布図

人間には見えない波長で観測した衛星データから、岩石の区別などが可能となります。

右の図は衛星データから作成した鉱物分布図です。この分布図では、
赤色: 明礬石とカオリンが分布する地域
緑色: セリサイトが分布する地域
青色: 緑泥石が分布する地域
を表します。このほかにも、いろいろな反射特徴を利用することで、岩石を構成する鉱物の種類と含有量を推定することができます。

リモートセンシングによる月面探査

月観測衛星(クレメンタイン)で撮影された月面(アリスタルコスクレータ付近)の画像月観測衛星(クレメンタイン)で撮影された月面(アリスタルコスクレータ付近)の画像

月観測衛星(クレメンタイン)で撮影された画像データを鮮鋭化処理し、月面の状況を解析したものが、右の画像です。

黄色い部分は斜長岩、青い部分は月の海の玄武岩をあらわします。また、このような解析から月の海の玄武岩に含まれるチタン含有量の推定も試みられています。

リモートセンシングによる自然環境モニタリング

日鉱探開では、資源探査で培ったリモートセンシングの技術を、自然環境のモニタリングに応用し、生物多様性の維持・拡大に役立てる試みをおこなっています。

マングローブ林の保全とモニタリング

枯葉剤で破壊されたマングローブ林の生育変化(左:1989年3月,右:2003年2月)枯葉剤で破壊されたマングローブ林の生育変化(左:1989年3月,右:2003年2月)

マングローブ林は、熱帯・亜熱帯の沿岸域で豊かな生態系を形成し、人間生活と密接にかかわる重要な森林資源です。アクセスが困難な場所に立地しているため、分布範囲を正確に把握することが難しく、定期的な測定や樹種ごとの分布状況を把握することが課題とされています。日鉱探開では衛星画像を利用し、マングローブ林のマッピング手法を開発し、沿岸域の保全に役立てる取り組みを行っています。