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CSR活動

環境配慮型の技術開発

当社グループは、社会と企業の持続的発展のために環境負荷低減に寄与する技術の開発を推進しています。環境配慮型の技術開発テーマとして、2002年にチリ国営銅公社コデルコ社と共同でバイオシグマ社を設立し、バイオリーチング技術の開発を推進しています。本リポートでは、バイオリーチングの開発についてバイオシグマ社における取り組みをご報告します。

バイオリーチング技術とは

バイオリーチングとは、バクテリアを利用して鉱石中の有用金属成分を溶出させて回収する湿式製錬法です。近年銅の需要も急激に高まっており、従来はズリ(廃石)として捨てられていた低品位の銅鉱石の活用が喫緊の課題となっています。1990年以降、一部鉱山において低品位の二次硫化銅鉱からの銅採取にバイオリーチングの技術が採用されてきました。バイオシグマ社では二次硫化銅鉱だけでなく、従来浸出が難しいといわれている一次硫化銅鉱からもバクテリアを利用して効率的に銅を回収するリーチング技術の開発を行っています。

バイオリーチングのプロセスにおいては、バクテリアが鉄および硫黄を酸化する働きを利用します。鉄酸化バクテリアと硫黄酸化バクテリアは、自らを生育するためのエネルギーを入手するために、それぞれ鉄および硫黄中の電子を獲得します。その結果鉄および硫黄は酸化されます。バクテリアが利用できない銅は、酸化されずそのまま残ります。つまり、銅はバイオリーチングのプロセスでは副産物です。従来捨てられていたズリを「資源」として活用できるほか、湿式製錬における浸出速度を上げることで経済効果の改善にも寄与します。

バイオリーチング技術を用いた銅回収プロセス

バイオリーチング技術を用いた銅回収プロセス

プロトタイプ試験でのバイオリーチング電気銅の製造

左:プロトタイプ試験設備全景(アンディーナ鉱山) 右:バイオリーチングによって製造された電気銅左:プロトタイプ試験設備全景(アンディーナ鉱山) 右:バイオリーチングによって製造された電気銅

コデルコ社のアンディーナ鉱山においてバイオリーチング技術のプロトタイプ試験を行い、当技術による電気銅の製造に成功しています。

バイオリーチング技術の強化

バイオリーチング微生物の機能解析と特定能力の強化(バイオテクノロジー技術開発)

バイオリーチング微生物の機能解析と特定能力の強化(バイオテクノロジー技術開発)

チリ・サンチャゴ市郊外にあるバイオシグマ社の研究所では、バイオリーチングに機能するバクテリアの特定およびその培養法の開発を行うとともに、最先端バイオ技術を有する慶應義塾大学先端生命科学研究所との共同研究によるメタボローム解析や、ゲノム解析により、バクテリアの機能の解析を実施しています。また、効率的・安定的なバイオリーチングを実現するために、最適条件探索のためのカラム浸出試験を行っています。これら研究開発の推進により、バイオリーチングに最適なバクテリアの活用や、バクテリアの持つバイオリーチングに必要な機能の強化によるリーチング性能の向上を目指しています。