ニュースリリース

2020年度

2020年10月30日

JX金属株式会社

環境技術に関する技術交流の国際的枠組み「WIPO GREEN」への参画 ―「JXヨウ素法」の技術登録―

 JX金属株式会社(社長:村山誠一、以下「当社」)は、国連の専門機関である世界知的所有権機関(WIPO: World Intellectual Property Organization)が運営する環境関連技術交流の枠組み「WIPO GREEN」へ参画いたします。参画に伴い、当社独自の銅回収技術である「JXヨウ素法」に関する知的財産をWIPO GREENが運営するデータベースに登録いたしました。

 

 WIPO GREENは、国際的な知的財産の保護・活用や知的財産制度の発展をめざす国連の専門機関WIPOが、環境関連技術の普及とイノベーション促進を目的に、環境技術の提供者とその希望者とをつなぐオンライン上のプラットフォームです。持続可能な発展に資する特許をWIPO GREENに登録して公開することで、その技術を必要とする個人や組織とのマッチングが可能になります。

 

 このたび当社がWIPO GREENのデータベースに登録したJXヨウ素法は、従来技術のヒープリーチング-SX-EW(※)にヨウ素を触媒的に添加する比較的簡便なプロセスにより、低品位の初生硫化銅鉱から銅を浸出する技術です。近年、銅鉱石の品位低下が世界的に進行しており、その資源化が課題となっております。特に低品位の初生硫化銅鉱からの銅回収は難しいとされてきました。JXヨウ素法はこの現状資源化されていない銅鉱石を有効活用し、既存鉱山の延命に寄与します。また、CO2の削減にもつながる可能性を秘めています。今回の登録により、同技術の技術移転を促進し、自社内に留まらず広く活用いただきたいと考えております。さらに今後、他案件の追加登録についても検討を行ってまいります。

 

 今後も当社は、資源開発から製錬、リサイクル、先端素材に至るまで、持続可能で低環境負荷の技術開発を通じて、SDGsの達成に貢献してまいります。

 

以 上

 

 

(※)

・ヒープリーチング:破砕した鉱石を堆積(ヒープ)した後、希硫酸を散布し、銅を浸出(リーチング)する方式。

・SX-EW:溶媒抽出電解採取法。ヒープリーチングでの浸出液に溶媒を加えて銅イオンを選択的に抽出(溶媒抽出)後、溶媒から硫酸で銅イオンを逆抽出した液を電気分解して電気銅を生産(電解採取)する方式。

 

 

 

 

 

JXヨウ素法によるヒープ試験(チリ)

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JXヨウ素法ヒープ試験で採取した電気銅

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JXヨウ素法による銅回収プロセス

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