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トップメッセージ

JX金属グループは、アジア有数のエネルギー・資源・素材企業グループを目指す
JXTGグループの中核を担う非鉄金属事業会社として、
銅、レアメタル、貴金属などの非鉄金属資源と電子材料などの高付加価値素材を提供しています。
社会環境とステークホルダーの皆さまからの要望を踏まえ、
資源採掘から製品の開発、リサイクルに至るまで、
幅広い事業活動を通じてSDGsが目指す持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

20年先の社会と自社の姿を描き、成長の道筋を示す

2019年3月期の当社グループの業績は、カセロネス銅鉱山(チリ)が営業黒字化を達成したことなどにより、前年の損益悪化を挽回し、計画値を上回る収益を達成することができました。しかし一方で、米中貿易摩擦などによる市場の不透明感が影響し、第2四半期まで好調だった機能材料事業、薄膜材料事業が低調に転じるなどの不安要因も生じました。

経営の舵とりを担う立場として、このような混沌とした状況である今だからこそ、今後、私たちがどのような企業グループに成長し、社会に対してどのように貢献していくのかを明確にする必要があると強く感じました。

将来のありたい姿を皆と共有し、そこを見据えた上で課題の一つひとつに対処し、しっかりとした基盤を築いていけるよう「2040年JX金属グループ長期ビジョン ~先端素材で社会の発展と革新に貢献するグローバル企業を目指して~」を掲げました。これは当社グループの将来に関わることですから、策定にあたっては、次世代の若手社員も含めて、できる限り広く意見を募って検討を行いました。

バリューチェーンの強みを活かし、社会課題の解決に貢献する

当社の強みは、上流の資源開発から、中流の金属製錬、環境リサイクル、下流の機能材料・薄膜材料、そして、タンタル・ニオブ事業などに至るまで、有機的なつながりを持つ一貫した事業を展開していることにあります。つまり、技術のサプライチェーンと経営資源のサプライチェーンをともに持っているということであり、非常にユニークな事業体だと考えています。

例えば、アジアをはじめとする新興国の経済成長とそれに伴う中間層の増大による資源不足、あるいは少子高齢化や産業空洞化などによる国内市場の縮小など、社会・経済が抱える課題に対して、限りある資源をより有効に活用する技術や環境を保全する技術で応えたり、社会が求める新たな電子材料を提供したりすることで、自社の成長と社会への貢献をともに実現していける可能性があるということです。そして、私たち独自のバリューチェーンを活かしていけば、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献にもつながっていくことでしょう。

SDGs(持続可能な開発目標)

このたび発表した長期ビジョンは、そういったSDGsへの貢献の在り方を強く意識した内容となっています。そして、長年培ってきた技術や知見を活かして、高度で高付加価値な製品・技術を提供する「技術立脚型企業」として成長し、SDGsが目指す持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針として示しています。

SDGs(持続可能な開発目標)

非鉄金属を扱う私たちの事業はSDGsの課題に直結している

SDGsが世界的な価値観として社会に浸透していく中、当社グループの目指す姿を描く上で、これは当然重視しなくてはならないものだと認識しています。そもそも私たちの事業はどこを見ても社会や環境と直接関わりがあるのですが、その関わりをしっかりと意識していくために、10項目からなる「CSR重要テーマ」(マテリアリティ)を掲げています。

例えば、「非鉄金属資源の有効活用」「循環型社会の形成」「低炭素社会の形成」といった環境に関連するテーマは、中流の金属製錬、あるいは環境リサイクル事業が直接寄与できるテーマです。

CSR重要テーマ10項目

低品位原料からメタルを取り出す技術開発や、都市鉱山由来のリサイクル原料を効果的に処理することでエネルギー使用量を抑える製錬技術の確立など、環境負荷の低減につながる取り組みを強化しています。

また、下流の機能材料事業、薄膜材料事業では、当社製品が使用される電気自動車が今後さらに普及していけば、化石燃料の使用削減や代替に貢献できると考えています。

現在のところ、銅では世界でも高いシェアを持っていますが、今後は銅のみならず、レアメタルやそれらを用いた先端材料についても一連のサプライチェーンを構築し、環境課題の解決に貢献していく姿を描いています。

このような成長戦略を実践していく過程で、内部の技術開発体制を深化させるとともに、今後は外部リソースを積極的に取り込んでいきます。すでにアクセラレータープログラム※1ではスタートアップ企業とのタイアップなどに着手し、社内外で共創型の開発体制の構築を進めていますが、さらにオープンイノベーションの活用などにより、当社グループの領域の延長上にある、あるいは親和性が高い分野を中心に付加価値を生み出していきたいと考えています。

※1 アクセラレータープログラム:協業や出資を目的として、企業がスタートアップ企業からコンテスト形式でアイディアや提案を募集するプログラムのこと。

CSR重要テーマ10項目

社会との共存共栄を目指し、挑戦するDNAを発揮して

今回の長期ビジョン策定によってより一層明確になったのは、この先、社会に対して当社グループがどのように関わっていくかということです。当社の事業はグローバルに展開しているわけですから、さまざまなステークホルダーに向き合っていかなければなりません。その場合、人権や環境の問題などに対し、私たちの事業運営がそれらに配慮した形になっているかどうかは、成長性を裏付ける大切な要素です。

その第一歩として、長期ビジョン達成に向けた体制、新たな企業風土をつくっていくために、2020年6月を目途に本社をオークラプレステージタワー(東京都港区)に移転することを決定しました。これは、将来の人員増への対応はもとより、組織文化の刷新、社内外のコミュニケーション増大による価値創造機会の創出を主な狙いとしています。やはり、従業員が力を存分に発揮できる環境か否かは組織の力に直結します。今回の移転を機に、働き方そのものを従来のパターンから大きく変えることに挑戦します。

それと並行して、SDGsについても、それぞれの事業や職場の特性を踏まえた上で再度、教育を行っていきたいと考えています。事業の下流、電子材料の先端分野で事業成長をドライブしていきながら、その過程で従業員一人ひとりがSDGsへの貢献度を念頭に置いて携われるよう、KPIの導入などを検討しながら取り組んでいきます。

当社グループのルーツは、今から110年以上前に開発された創業地・日立鉱山にあります。製錬で発生する亜硫酸ガスを回収する技術がなかった当時、地域の人々を守るため、高さ155.7メートルの大煙突をつくって煙害を激減させました。また、鉱山で安心して働けるよう職場環境を整備し、「一山一家」に代表されるように、従業員を家族として接するなど時代を先取りした気風を育みました。

このように、ステークホルダーとともに挑戦していく精神は私たちのDNAの一つで、自ら変化を牽引していくことが大切なのです。組織が大きくなるに従い、ともすると挑戦の気風が薄れたり、保守的になる傾向がありますが、今回の長期ビジョンの浸透を機にもう一度、JX金属グループの挑戦する精神を一層高め、全社でスクラムを組んで前進していきたいと思います。

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