イベント・お知らせ

2023年度

神峰クラブにおける鍛金作品の展示について

 JX金属株式会社(社長:林 陽一)は、このたび茨城県久慈郡大子町在住の鍛金作家である友常みゆき氏に作品を制作いただき、日立事業所に近接する福利厚生施設である日鉱神峰クラブ(以下「神峰クラブ」)に展示いたしました。

 

 当社は、奥深い鍛金作品の世界を一人でも多くの方に知っていただくため、金属を題材に活躍するアーティストの皆様の活動支援を行っています。2022年10月に神峰クラブを全面リニューアルしたことに伴い、室内の展示物を検討している中で、茨城県の県北地域を拠点に活動する友常氏に作品を依頼する運びとなりました。今回の作品は、日立市のシンボル「大煙突」と桜の植樹のエピソードをモチーフとして制作されており、着色に緑青(ろくしょう)を用いることにより、枯野となった土地に再び緑が芽吹いてゆくイメージが表現されています。

 

 鍛金(METAL HAMMERING)は、金属を金鎚で「打ち」「延べ」「絞り」「接合」等の工程を経て、その後様々な「色上げ」を行い、作品を造りあげていく技法です。このたび制作いただいた作品は、以前から制作されている「たねの音」シリーズの作品のひとつです。友常氏の作品は、茨城県の観光名所である袋田の滝の展望台にも設置されています。

 

 当社は今後も、金属を題材に活躍するアーティストの皆様の活動支援を行ってまいります。

 

以 上

 

写真

今回制作いただいた作品(素材:銅,  緑青着色)
今回制作いただいた作品(素材:銅, 緑青着色)
友常氏(左)  日立事業所池辺総務部長(右)
友常氏(左)  日立事業所池辺総務部長(右)

 

<作品に寄せる友常氏の思い>

 日立市のシンボルとなっている「大煙突」、枯れ山に一本一本桜を植えこの土地に住む人々と供に緑の山を再生したお話を伺い、大煙突から芽吹きの音が聞こえてくるようでした。その土地を守る市民と企業がともに歩み、現在があること、土地とそこに住む人を大事にするJX金属株式会社様の姿勢に、これからも貴社と日立の芽吹きと発展が見えるような思いで制作いたしました。

 今回の作品では、緑青での着色により、枯野になってしまった土地に再び緑が芽吹いてゆくイメージを重ねました。緑青は、古くから銅の着色に使用されており、銅の表面に被膜をつくり、内部の腐食を防ぐ効果や抗菌効果があると知られています。また、日光によって美しい結晶をつくるため、少しずつ丁寧に結晶をつくることで、銅ならではの緑青となります。JX金属株式会社様の環境への取り組みのように、丁寧に重ねていくことが緑の再生とこれからの未来をつくっていくと感じ、今回の作品を緑青にいたしました。

 

<友常氏のプロフィール>

1975年 美野里町(現:小美玉市)生まれ
茨城大学教育学部美術科金属工芸ゼミ卒業
鍛金技法による作品を制作し個展・グループ展・公募展にて発表
2015年 大子町地域おこし協力隊員となり活動
2016年 袋田の滝恋人の聖地モニュメント デザイン・制作
茨城県北芸術祭キュレトリアルアシスタント大子町担当となる
大成女子高校 美術科非常勤講師
あおぞらデイサービス 美術教室講師
学童保育べるきっずはうす アート講師