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2023年度

「2023年度 JX金属賞」授与式の実施について

 JX金属株式会社は10月26日に「2023年度 JX金属賞」の授与式を実施し、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程2年生の松木建人さんを表彰しました。

 

 当社では様々な方に金属の重要性やその魅力・可能性を知っていただくための活動を積極的に行っています。その一環として、鍛金(※1)分野で活躍するアーティストの活動支援を行うことで、文化芸術の振興を推進しています(※2)。「JX金属賞」は、東京藝術大学鍛金研究室に在籍し、学業成績が特に優秀な学生1名を毎年表彰するものであり、昨年引き続き2回目の実施となります。表彰された学生へは、東京藝術大学奨学金制度(※3)に基づき、奨学金が給付されます。

 

 授与式では、当社から「JX金属賞」の紹介などを行った後、当社役員から松木さんへ賞状と奨学金目録が授与されました。続いて同大学美術学部工芸科鍛金研究室の丸山智巳教授から「松木さんの作品は、メーター板とよばれる1m×2mの大きな銅板を打ち出すことで作られる。このような大きな作品を、塊ではなく板材から作るというのは研究室でも久しぶりのアプローチであり、日本古来の伝統技法をよく研究しながら制作を進めた姿を評価し、JX金属賞に推薦した」という講評がありました。

 講評に続き、松木さんが自身の鍛金作品「FULL・BODY」について、「一般的には溶接で作るような大きな作品ではあるが、銅板をハンマーで叩きながら、構造的な強度を出しつつ制作を進めた。素手や道具を介して得られた銅の感触は、身体に通じるところがあるのではないかと感じている」という説明がありました。

受賞者の松木さんは、従来の鍛金技法に囚われず、制作過程において、技法上の工夫や表現のオリジナリティを追求されており、銅を中心とする非鉄金属の新たな価値創造を目指す当社にも、貴重な学びを与えてくれました。

 

 当社は引き続き「JX金属賞」を通し優秀な次世代アーティストの活動を支援することで、将来の鍛金芸術の発展を支えたいと考えています。今後も様々な形で鍛金芸術の発展を支援することで、より多くの方に金属の魅力や大切さを知っていただくとともに、文化芸術の振興に貢献してまいります。

以上

※1 鍛金とは金属を金鎚で「打ち」「延べ」「絞り」「接合」等の工程を経て、その後様々な「色上げ」を行い、作品を造りあげていく技法です。詳細は以下のWEBページをご覧ください。
METAL HAMMERING(鍛金)とは | JX金属 (jx-nmm.com)

※2 取り組みの一例として、日立事業所に近接する福利厚生施設である日鉱神峰クラブへ同県在住の鍛金作家である友常みゆきさんの作品を展示しています。詳細は以下のWEBページをご覧ください。
神峰クラブにおける鍛金作品の展示について | 2023年度 | JX金属 (jx-nmm.com)

※3 東京藝術大学奨学金制度についての詳細は以下のWEBページをご覧ください。
東京藝術大学奨学金制度

 

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「2023年度JX金属賞」授与式の記念撮影の様子
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「2023年度 JX金属賞」を受賞した松木建人さんの作品「FULL・BODY」

 

銅板を打ち出すことによって生まれる「張」と「凝」の造形に惹かれている。槌にこめるエネルギーを写し取ることで膨張した人体は私が存在していく為の投影なのかもしれない。