ニュースリリース

2023年度

2023年7月11日

JX金属株式会社
BHP

JX金属とBHPとの間におけるGreen Enabling Partnershipの構築について
―サステナブルな銅の生産、普及に向けた覚書の締結―

 JX金属株式会社(社長:林 陽一、以下「JX金属」)と BHP(CEO: Mike Henry)は、銅のサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量の削減と、銅のサプライチェーンをよりサステナブルなものとすることを目的とした、グリーン・イネーブリング・パートナーシップ(※1)の構築に関する覚書に調印いたしました。

 

 本覚書を通じてJX金属とBHPは、上流の資源開発から下流の半導体、情報通信、自動車産業などに至るまで、業界横断でトレーサビリティと原料原産地証明を強化することにより、責任ある銅サプライチェーンの継続的な発展を目指します。

 

 また、このグリーン・イネーブリング・パートナーシップにより、両社間の銅精鉱と硫酸の供給を通じた資源循環と温室効果ガス排出削減のさらなる追求、電気銅のカーボンフットプリント(CFP)の算定と削減の分野における知見の共有、材料プロセス・エネルギー効率に優れた製錬操業のための研究開発にも取り組んでまいります。

 

 両社は、長年にわたり良好な協業関係を築いてきましたが、この始まりはBHPが保有する世界最大の銅鉱山であるエスコンディーダ銅鉱山の操業開始を控えた1985年にまで遡ります。以来、両社は今日まで様々な取り組みを通じて関係を強化してきました。例えば、BHPはチリの鉱山から採掘した銅精鉱をJX金属の製錬所に供給し、JX金属の製錬工程で生産された硫酸はBHPの鉱山での溶媒抽出工程で利用されています。

 

 本覚書への署名を行ったJX金属の堀副社長とBHP Chief Commercial OfficerのVandita氏は、以下のとおりコメントしています。

 

JX金属 堀副社長
「足下、銅サプライチェーンの下流における当社のパートナーシップの輪が広がりつつあります。一方で、我々のサステナブルな銅の生産の取り組みの中心は佐賀関製錬所におけるグリーンハイブリッド製錬であり、我々にとってのSCOPE3にあたる銅精鉱の生産と輸送におけるGHG排出量削減に向けて、上流事業者との連携が不可欠です(※2)。当社と重要な関係にあるBHPとのパートナーシップを通じ、上流におけるESGの取り組みを強化することで弊社ステークホルダーのニーズに応えていきたいと考えています。」

 

BHP Vandita氏
「脱炭素を支援する革新的で持続可能なソリューションを見出し、実施することがBHPとしての誇りだと思っております。しかしながら、それは自社内だけで完結するものではありません。バリューチェーン全体にわたる顧客や協力企業とのパートナーシップが、最善かつ最も持続可能な結果につながるのだと考えています。銅は世界規模でのネット・ゼロ目標を達成する上で最も重要な鉱物のひとつです。JX金属とグリーン・イネーブリング・パートナーシップを締結し、銅のサプライチェーンにおける温室効果ガス排出削減をさらに進めていくことを楽しみにしております。」

 

以上

 

(※1) 「サステナブルカッパー・ビジョン」で提唱している、銅の生産・利用・リサイクルに関わる企業等との、脱炭素・資源循環の促進を目的とした業種横断型のパートナーシップのことです。

(※2)2022年、JX金属の子会社であるパンパシフィック・カッパー株式会社は、銅精鉱と硫酸の海上輸送の脱炭素化のため、BHPおよび船舶用風力推進装置の世界的メーカーであるNorsepower Oy Ltdと提携しました。

 

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オンラインで開催されたグリーン・イネーブリング・パートナーシップの構築に関する覚書締結式
(左:JX金属 堀副社長 / 右:BHP  Vandita CCO)

 

JX金属について;

JX金属は、銅・レアメタルを中心に、先端素材の製造・開発から製錬・リサイクル・資源開発に至るまで、非鉄金属事業を総合的に展開しています。
「サステナブルな銅」の生産・供給に関するJX金属の取り組みについては、こちらをご覧ください。

 

BHPについて;

BHPは、オーストラリアとアメリカ大陸を中心に約8万人の従業員と請負事業者を擁する世界有数の資源会社です。BHPが生産する鉄鉱石、銅、ニッケル、石炭などは世界中で販売されており、これら製品の生産量は世界トップクラスです。 気候変動に対するBHPの取り組みについては、www.bhp.com/climate をご覧ください。