ニュースリリース

2023年度

2023年9月27日

JX金属株式会社

高機能銅合金の新製品の開発について
―情報通信およびモビリティの高度化に貢献する4つの新製品を開発―

 JX金属株式会社(社長:林陽一、以下「当社」)は、長年にわたる溶解鋳造・圧延・熱処理・スリットまでの一貫生産で培った技術や合金開発のノウハウを活かし、新たに以下の高機能銅合金製品を開発しました。

 

1. Cuめっき付き高強度チタン銅箔

 チタン銅箔に銅めっき処理をすることにより、機械的/物理的な特性を保持しつつ、はんだ濡れ性および耐食性を向上させたチタン銅製品C1990-GSH(CP)を開発しました。当製品を用いることで、お客様でばねをはんだ付けで実装するプロセスの信頼性がより高まるため、カメラモジュールなどの高機能電子部品の大幅な生産効率の向上への貢献が期待できます。

 

2. 導電性に優れたチタン銅

 今日のスマートフォンにおいては高性能化が進むとともに、各モジュールや部品が発する熱の抑制への関心が高まっています。スマートフォン内部品のばね材には、高強度な銅合金であるチタン銅が多く採用されていますが、昨今では、高強度特性に加え導電性の向上が求められています。このたび当社は独自のプロセス技術を用いることにより、従来品と同等以上の強度を保持しつつ、導電性を従来品から1.5倍~2倍へと高めたチタン銅を開発し、市場投入へ向けて実証試験をしております。

 

3. 極薄コルソン合金箔

 スマートフォンなど通信機器の軽薄化や、サーバの大容量化とともに、機器内部の各種コネクタではより一層の小型化・狭ピッチ化と通電量の増加が進んでおり、当用途に用いられるコルソン合金についても薄箔化の要望が高まりつつあります。かかる背景のもと、このたびコルソン合金の3製品について、従来製品よりもさらに薄い板厚40μmt品をラインナップに追加しました。

 

4. 導電性と耐熱性に優れた銅合金

 昨今普及が進む電気自動車においては、加速や停止などの動きを制御するパワートレインシステムに用いられるコネクタには従来以上の大電流化への対応が求められています。加えて、本用途のコネクタは高温環境下においても長期的な接続信頼性を担保する必要があります。このたび、これら要求を受けて、80%IACS以上の導電率と高温環境下でもコネクタの接触力を維持できる耐熱性※を兼ね備えた銅合金を開発し、市場投入に向けて実証試験をしております。 (※参考資料 図2をご参照ください)

 

 10月4日(水)~6日(金)に幕張メッセで開催される「第3回 サステナブルマテリアル展」では、これら新製品を含め、持続可能な社会に貢献する様々な製品を紹介しています。当社は今後も、お客様のご要望にお応えする製品をタイムリーに開発・供給し、先端素材のグローバルリーダーとして社会の発展と革新に貢献してまいります。

 

以 上

 

【参考資料】

図1:当社高機能銅合金の中での各開発製品の位置づけ
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図2:「導電性と耐熱性に優れた銅合金」の耐熱特性
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図3:「Cuめっき付き高強度チタン銅箔」「導電性に優れたチタン銅」の用途例
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図4:「極薄コルソン合金箔」の用途例
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図5:「導電性と耐熱性に優れた銅合金」の用途例
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写真:当社の高機能銅合金箔の一例(チタン銅箔)
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