ニュースリリース

2019年度

2019年11月22日

JX金属株式会社

高導電・高強度コルソン合金の販売開始について―従来品よりさらに高い強度と導電性を実現―


 JX金属株式会社(社長:村山誠一、以下「当社」)は、このたび、電子部品用として、従来品よりもさらに高導電・高強度のコルソン合金の販売を開始しました。

 通常、電子部品用の伸銅品は強度を上げるために合金化されています。強度を上げるためには多量の添加元素が必要になりますが、導電性を上げるためには逆に添加元素を少量にする必要があるため、強度と導電性とは相反する関係にあります。当社は、長年培ってきた独自の合金開発のノウハウと、精密なプロセス制御技術により、高導電と高強度を両立するコルソン合金(銅にニッケルおよびシリコンを添加した銅合金)の開発・製造を行い、市場への供給を進めてまいりました。

 近年、携帯端末の薄型化・小型化や電池の大容量化に伴い、コネクタ端子など電子部品用の銅合金には、これまで以上に高い強度と導電性が求められています。特に、高機能化や急速充電による通電量増加や、コネクタ端子の小型化などに伴う、発熱量・消費電力の増加を抑制したいというご要望が高まっております。当社はこうした声にお応えして、このたび新たに2種類の製品をご提供させていただきます。いずれも代表的なコルソン合金のC7025に比べて優れた特性を有しており、お客様の個々のニーズにあわせて最適な合金をお選びいただけます。
 各製品の主な特徴は以下の通りです。

1.高導電コルソン合金 NKC4820(CDA: C64810)
 通電量の増加に対応するコネクタ端子に最適な高導電コルソン合金NKC4820を開発いたしました。C7025並みの強度(0.2%耐力:700MPa程度)を維持した上で、導電率を60%IACSまで高めた合金です。このレベルの高強度と高導電性を併せ持つ合金は世界的に見ても類が無く、画期的な特性を有する合金です。

2.高強度コルソン合金 NKC1816
 高強度コルソン合金の強度を維持しながら導電率を改善したNKC1816をコネクタ端子用として、改めてラインナップに加えました。C7025を超える強度(0.2%耐力:820MPa程度)を持ちながら、導電率も50%IACSまで高めた合金で、高導電に加え高強度が求められる用途に適しています。

 当社は今後も、お客様の要望にお応えできる製品をタイムリーに開発、供給できる体制を整えてまいります。なお、今回新たにご提供させていただく2種類の合金ついては、12月4日(水)~6日(金)に幕張メッセで開催される「第6 回高機能金属展」で展示いたします。

以 上