ニュースリリース

2021年度

2022年2月18日

JX金属株式会社

人工光合成化学プロセス研究組合(ARPChem)への参画について
―社会全体の脱炭素化に貢献する人工光合成用触媒の開発を加速―

 JX金属株式会社(社長:村山誠一、以下「当社」)は、かねてより行っている人工光合成向けの素材の開発を加速させるとともに実用化に繋げるため、人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)の第二期の活動に参画いたします。

 

 人工光合成技術は、太陽光エネルギーと触媒により水を水素と酸素に分解するとともに、水素を二酸化炭素と反応させて燃料や化学原料を生み出す技術であり、日本が世界に先駆けて開発をしています。カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが世界的に加速する中、グリーン水素(※1)を生成する技術として、関心が高まっています。

 当社グループでは、カーボンニュートラルの実現に向けて、グループ内での二酸化炭素排出量削減と並行し、社会全体の脱炭素化に資する先端素材の開発を進めており、当観点から人工光合成向け素材の開発に取り組んでいます。具体的には、2021年6月より、人工光合成用触媒の第一人者である堂免教授の研究室(信州大学)と共同研究を行っており、当社が保有する金属の高純度化技術、結晶化技術、粉体制御技術などを提供することで、画期的な触媒の開発を行っています。

 

 今回当社が参画することを決定したARPChemは、人工光合成技術の実現を目的に経済産業省主体で形成された研究組合です。2012年度から2021年度にかけて行われた第一期の活動では、世界で初めて人工光合成の実証試験を開始するなどの成果を挙げました。第二期の活動では今後10年間にかけて、国内を代表する企業や研究機関(※2)が得意技術を持ちより、触媒開発、水素分離膜の開発、安全性検証の各テーマで、社会実装を見据えた技術開発を進めます。当社は、タンタルやチタンを始めとする高純度金属や、これまで培ってきた様々な技術を提供することで、太陽光エネルギーの変換効率向上に資する触媒の開発に貢献します。なお、当活動は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金事業の一環として行われます。

 

 今後も当社は、パートナーとの共創による製品開発に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 

以上

 

※1 水を分解することで生産される水素のこと。分解プロセスに再生可能エネルギーを利用することで、副産物としての二酸化炭素を排出させることなく水素を製造することができる。

※2 ARPChemの参画企業・研究機関

企業 JX金属株式会社、三菱ケミカル株式会社、大日本印刷株式会社、トヨタ自動車株式会社、日本製鉄株式会社、株式会社フルヤ金属、三井化学株式会社、株式会社INPEX、デクセリアルズ株式会社、東レ株式会社(順不同)
研究機関 東京大学、信州大学、東京理科大学、京都大学、東北大学、名古屋大学、山口大学、産業技術総合研究所(順不同)